著作権法で保護の対象となる著作物とは、思想又は感情を「創作的」に表現したもので、かつ「文芸,学術,美術又は音楽の範囲」に属するものです。具体的には、小説、音楽、美術、映画、コンピュータプログラム等が著作物の例示として挙げられています。
著作者とは,著作物を創作した人のことです。
以下の要件をすべて満たした場合に限り、創作活動を行った個人ではなくその人が属している会社等が著作者となります。
- その著作物を作る企画を立てるのが法人その他の使用者であること。
- 法人等の業務に従事する者の創作であること。
- 職務上作成されること
- 公表するときに法人等の名義で公表されること。(通常,コンピュータプログラムの場合には、公表せずに利用するものが多いためこの要件を満たす必要は無い。)
- 契約や就業規則で職員を著作者とする定めがないこと。
著作権は、出願・登録することなく著作物の創作により自然に発生しますが、著作権譲渡の際の対抗要件具備や公表日の証明を容易にするため登録制度を利用することができます。著作物全般(プログラムの著作物を除く)に関しては、文化庁に、プログラムの著作物は一般財団法人ソフトウェア情報センターに登録申請をします。当事務所では登録手続きの代理を行います。
また他人の著作物を利用しようとするときには、あらかじめ著作権者に利用許諾を得なければなりません。著作権が誰にあるか、その著作物が保護期間内にあるものか否か調査を行います。許諾を得るための相手方となる権利者を確定し、権利者との間で利用許諾などの権利処理を行います。なお、権利者が不明等により、利用許諾が得られないときは、文化庁長官の裁定を受けた上で、補償金を供託して著作物を利用することもできます。
著作権の利用許諾や譲渡等に関する契約についてもご相談ください。著作物に合った条項や秘密保持の条項も盛り込むことで著作者と著作権利用者の取引の安全を図ります。